Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 159.272 Zeichen · 313 Bildschirme
元来何の悪意もなく、一筋に異人を嫌ひ、異人が来ては日本の為にならぬと思ひ込みたる輩は、自分には知らぬ事ながら我が生国の恥辱を世間一般に吹聴するも同様にて、気の毒千万なれば、この人々の為め聊か弁解すべし……」
という見識はたしかにその時代の一般はもちろん、学者の頭を抜いている。
それから、世界の広さを一里坪にして八百四十万坪あり、これを五に分ち五大洲という。その五大洲中ヨーロッパの文明が世界に冠たることを説き、その文明国を夷狄視することの浅見より、支那の覆轍を説いての教え方も要領を得ている。
次に右五大洲中八百四十万坪の中に住む人口をほぼ十億と数え、そのうち、日本人は数およそ三千万あるゆえに、世界中の人数と比例すれば、九十七人と三人の割合に過ぎないという数字も、大ざっぱながら親切で、当時の粗雑にして空疎なる人の頭に、印象を強くしてなるほどと思わせ、
「さて今何れの国にもせよ、百人の人あり、その中九十七人は睦じく付合往来するところへ、三人は天から降りたるもののやう気高く構へ、別に仲間を結んで三人の外は一切交りを絶ち、分らぬ理窟を言ひながら自分達の風に合はぬと畜生同様に取扱はんとせば、それにて済むべきや、先づ世の中の笑はれものなるべし」