Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 159.272 Zeichen · 313 Bildschirme
「お帰りなさい」
長い裲襠の裾を引いたままで挨拶しました。
「茂坊」
「はい」
「もう一度、今の姿で踊ってごらん」
「御免なさい、おじさん、一人であんまり詰らなかったもんだから……」
「いいから、お前、もう一遍、今の姿で……その面を冠って、鈴と、御幣を持って、いま踊った通りに、踊ってわしに見せておくれ」
「御免なさい、もうしませんから」
「そうじゃない、お前のいま踊った姿を、ぜひもう一度見たいんだ、それを絵に取って置きたいと思うんだよ、叱るんじゃない、頼むんだよ」
「じゃ、やってみましょうか」
「やってごらん」
そこで茂太郎は、再び面を冠って、両手に鈴と御幣とを持ち、裲襠を長く引いて、座敷いっぱいに踊りはじめました。これを座敷へ上った白雲は、立ちながら目もはなさずに眺め入りました。
この踊りは、一種不思議な踊りであります。仕舞のようなところもあり、かんなぎのような所作もあり、そうかと思えば神楽拍子のように崩れてしまうところもあって、なんとも名状のできない踊りだが、それでも、その変化の間に一つのリズムというものがあって、陶然として酔わしむるものがある。
無論、この不思議な児童の、即興の、出鱈目の踊り方には違いないが、その出鱈目のうちにリズムがあるから、白雲はかえってそれを、本格の踊りよりも面白いと思いました。