Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 159.272 Zeichen · 313 Bildschirme
仏頂寺、丸山は待って待ち甲斐のある輩ではなし――
この場はこれで納まったが、納まらないのは、それから行く先々の温泉場の町並。
例の笠を冠った小者が、先生はどこへ行った、先生がまたいなくなった、と喚き立てながら駈け廻っているから、だれも、かも、驚かされて出て見ない者はない。何かこの温泉場を根柢からひっくり返す事件でも持上ったかのように飛び出して見ると、件の小者。
それは、子供だろうと思われるほど背が低く、頭には竹の笠を冠って、首には荷物をかけ、手には杖をついたのが、跛の足を引きずって、多分、眼中は血走って、そうして、かなりしめやかな歓楽の温泉の町を、ひとりで、騒がせながら飛んで行くのです。
「おい、兄さん、どうしたんだい。何だい、その騒ぎは」
逗留の客で、世話好きなのが差出て聞くと、
「おいらの先生が、またいなくなっちゃったんだよ」
「なに、お前さんの先生がいなくなっちゃったんだって?」
「そうだよ……ちぇッ」
と舌を打って地団駄を踏んだ人は浅間の人士はまだ知るまいが、これぞ宇治山田の米友であります。
「つまり、お前さんが連れにはぐれたというわけなんだね」
「そうだよ、それも一度や二度じゃねえんだからな、ちぇッ」