Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 159.272 Zeichen · 313 Bildschirme
江戸ッ子のうちでも途方もなく気の早いせいでしょう。それで、この十月までの各座の狂言のおもな似顔が、みんなここへ寄せ集められている。さてこそ、お梅は立去れないので、
「まあ、いいわね」
を譫言のようにいっていると、
「梅ちゃん、どれがいいの?」
お角から尋ねられたのを上の空で、
「どれもこれもみんないいわ」
「いちばんいいのをお取り」
「いいえ、わたし、千代紙でたくさんなのよ」
「この嫗山姥がいいだろう」
「まあ……」
お梅は仰天してしまいました。その五彩絢爛たる八重錦の羽子板の山の中で、いちばん優れて、いちばん大きい嫗山姥、まさか買って下さいともいえないが、買って下さるはずもないとお梅が仰天している間に、お角は番頭に交渉し、さっさとその大一番の嫗山姥を買取って、お梅に持たせたから、お梅がひとごとではないと思いました。
お角は相変らず奉納の趣向を考え、お梅は有頂天になって、駒形通りへ出ました。
お角が駒形堂の前へ来ると、ちょうどその船つきへ小舟が着いたところで、幾多の人がゾロゾロと河岸へ上りました。
そのなかに、お角の眼をひいたのは、図抜けて大きな人が、西洋の蝙蝠傘をさして上って来たことで、蝙蝠傘の流行は、今ではさして珍しいことではないが、まあ、どちらかといえば非常なハイカラな、新し好みの人に多かったのを、これは実にバンカラ