Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 159.272 Zeichen · 313 Bildschirme
「ははあ」
道庵は物珍しげに軽井沢の町を見廻して、頭上にけぶる、信濃なる浅間ヶ岳に立つ煙をながめ、
「ははあ、いよいよ信濃路かな。一茶の句に曰く、信濃路や山が荷になる暑さかな……ところが今はもう暑くねえ」と嘯きました。
時は、無論、山が荷になるほどの暑い時候ではなかったけれど、さりとてまだ、ゆきたけつもりて裾の寒さよ、とふるえ出すほどの時候でもありません。
幸いにして碓氷峠は紅葉の盛りでありました。坂本の宿から峠の上まで、道庵は名にし負う碓氷の紅葉に照らされて、酔眼をいよいよ真赤にしてのぼって来ましたが、上野と信濃の国境は夢で越え、信濃路に入ってはじめて、浅間の秋に触れました。
ここに、便宜上、武州熊谷以来の旅程を示すと――
熊谷から深谷まで二里二十七丁。深谷から本庄まで二里二十五丁。本庄から新町へ二里。この間に武州と上州との境があって、新町から倉ヶ野へ一里半。倉ヶ野から高崎へ一里十九丁。
高崎は松平右京亮、八万二千石の城下。それより坂鼻へ一里三十丁。坂鼻から安中へ三十丁下り。ここは坂倉伊予守、三万石の城下。安中から松井田へ二里十六丁。
松井田から坂本へ二里十五丁。