Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 74.962 Zeichen · 145 Bildschirme

Aozora Bunko

「あそこに千代ヶ坂というのがありましてな、八石平からあちらは、女は忌んで、通ってはならぬことになっているのを、千代という若い女の方が強いて通りましたところ、翌日になると、その坂の木の枝に、女の五体がバラバラになって、かけられておりましたということで、それから、あれを千代ヶ坂と名附け、あの辺は決して女の方は近寄れないことになっております」

「まあ、それは本当ですか」

「それは古来の言い伝えでございますけれども、わしらが覚えてからも一つございました、ある坊さんが、あの温泉で眼を癒そうとしまして、尼さんを一人つれて参りましたが、そのせいでしたかどうでしたか、急に雨風が烈しくなって、とうとうその尼さんの行方がわからなくなりました」

「え、それでは、あの滝の下あたりに、やはり眼によい温泉があるのですか」

「ありますとも、白山三湯と言いまして、そのうちにも楢本の湯というのは、眼病、そこひのたぐいには神様のようだそうです」

「そのお湯へも、女は行ってはいけないのですか」

「え、あれから先は只今申し上げた通りです、行って行けないことはございませんが、行けば必ず祟りがあると言われていますから、おいでにならない方がよろしうございましょう」