Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 74.962 Zeichen · 145 Bildschirme
全く悪いところはお話になりませんが、ああいいところだと思えば、きっとドコかに悪い影がさすものです。永年住んでいて、いいところか、悪いところか、わからないくらいのところは、本当にいいところにきまっていますねえ」
「そんなものかも知れませんが、まあいいところとしておきましょう」
「実はねえ、お爺さん、わたしもその白川郷というところへ行って、一生を暮らしてしまいたいと思っているのよ」
「そうですか」
「平家の公達も、そこに落ちて、居ついているくらいですから、わたしなんぞも、住めないはずはないと思います」
「それは住めば都と申しましてな、お天道様の照らすところ、草木の生えるところで、人間が住んで住めないという土地はございませんけれど、お嬢さん、買いかぶってはいけませんよ、平家の公達だって、白川郷が住みよいからそこへ来たわけではありません、それは花の都に栄耀栄華を極めているに越したことはございますまいけれど、居るには居られず、住むには住まわれないから、よんどころなく、こんな山奥の奥へ落ちて来たものでしょう、それを夢の里か、絵の国でもあるように、憧れて、わざわざ住みにおいでなさろうなんぞというのは、お若いというものです。