Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 74.962 Zeichen · 145 Bildschirme
王侯貴人をも眼中に置かぬ米友が、お角さんのために、頭ごなしにやっつけられると、一堪りもなく縮み上って舌を吐くということが、これ大きな不思議であります。
道庵先生にも、一目も二目も置いているけれども、これは先輩長者としての尊敬から出るので、正義と、理窟の場合には、一歩を譲ることの引身をも感じていないのだが、お角さんに逢うと、正義も、理窟もなく、無条件で米友がすくんでしまうのは、おかしいくらいです。
これは前世の悪縁とかなんとか言うよりは解しようがありますまい。蛇と、蛞蝓と、蛙とが相剋するように、力の問題ではなくて、気合のさせる業。理窟の解釈はつかない宿縁というようなものの催しでしょう。
とにかく、米友は、やみくもに出発しようとして、お角さんのことを考えると、ポッキと決心が折れてしまい、恨めしそうに、お角さんの方の部屋をながめたが、やがて、くずおれるように下にいて、せっかく、ととのえた旅の仕度を、いちいちもぎ放してしまって、今まで飾り物のようにしてあった宿の夜具蒲団の中へ、有無をも言わさずに、もぐり込んでしまいました。
三十五
さて、二度目に目が醒めた時は、しなしたりや、もう日脚が高い。