Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 86.467 Zeichen · 168 Bildschirme

Aozora Bunko

「なるほど――それで、このお兄さんの冤罪というものは晴れたわけだが、そうなると今度は、お兄さんの方でお聞き申してえのは、いったいその、お蘭さんと出来てだいそれた主人殺しをやり、国を走ったその浪人者というのは、どこのどういう奴なんだえ」

「それがさっぱりわかりませんのさ」

「わからねえ、お代官の役人の手でも?」

「ええ、もう少し早いと、国境を越す前に捕まえてしまったんだそうですが、うまく国境を出られてしまったから、どうにも手が出しにくいんだそうです」

「国境を出たといったところで、お前、女連れで遠くは行くめえし……それに、日頃お蘭さんと出来ていたっていう浪人なら、たいてい当りがつきそうなものじゃねえか、きのうや今日のことじゃねえ、どのみち、お代官に居候か何かしていた覚えがあるという代物なんだろう」

「ところが、それが全くわからないのですよ」

「わからなければ、草の根を分けても尋ねたらよかりそうなもんだ、国境を出たからといって、たいてい道筋はわかっているだろう……悪い者をふんづかまえるに、近所近国といえども遠慮はなかろう」

「ですけれど、今の時勢で、この高山はお代官地でしょう、近国はみんな城主のものになっていますから、思うようにいかないんだっていうことよ」