Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 86.467 Zeichen · 168 Bildschirme
ほかならぬこの兄さんの手に落ちている――してみりゃ、かねてその色男としめし合わせて今度の駈落、というのは嘘だあな」
「じゃ、どうしたの」
「お蘭さんはお蘭さんで、かどわかされたんだね、決して出来合ったわけでも、しめし合わせたわけでもないんだ」
「そうだとすれば、かわいそうね」
「うむ、かわいそうなところもある、第一、駈落には、金より大事なものはあるにはあるが、金が先立たなけりゃ身動きもできるものじゃねえのさ、その大事の金を一文も持たずに連れ出されたお蘭さんという人も、たしかにかわいそうな身の上に違えねえから、ここは一番……」
がんりきは意気込んで、小箱の蓋で縁を丁と叩き、
「何とかしてやらざあなるめえ」
と見得をきったのです。福松は少々白けて、
「では、どうして上げようというの」
「頼まれたわけでもなんでもねえが、男となってみりゃ、お蘭さんの難儀を知って見遁しはできねえ、これから後を追いかけて、この路用を渡して上げて、ずいぶん路用を安心させてやるのさ」
「え、え、兄さん、お前さんがこのお金その他を、わざわざお蘭さんに届けに行ってあげようというの?」
「まあ、そんなものさ、そのつもりでこの通り、身ごしらえ、足ごしらえをして来たんだ、時分もちょうどよかりそうだし、ところも美濃路と聞いたから、旅には覚えのあるこの兄さんのことだ、