Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 86.467 Zeichen · 168 Bildschirme

Aozora Bunko

でも、苦情も不平も出ないのは、当人がその分配の席にいないからです。それで、頭割りをする役割は、当人の主張の無いのに、当人に代って割増しを主張するほどの好意はないから、常人足並みの労銀が、組の者に托して与八に向って支給されて納まってしまうのです。

それにしても、一人や二人は、与八という特種人物の力量が抜群であって、仕事ぶりに蔭日向というものがないという点ぐらいは認めてやる者があってもよかろうと思われるが、それすら無いというのは、証跡がかくれてしまっているのです。

つまり、与八はその非凡な力量を以て、常人の幾倍に当る仕事をしていることは確実なのですが、その仕事は、蔭日向がないというよりは、蔭ばかりで日向が無い、日向ばかりで蔭が無い、というような仕事ぶりになっているからでありましょう。

彼は山で石材を運び、土を掘り、木の根を起すにしてからが、なるべく離れたところを選び、離れたところの人の面倒がるところに好んで食いつき、いつのまにかそれを綺麗に整理して置いて、他の人が処分するに最も都合のよいようにして置いて、人が来る時分には、もう自分は次なる根仕事にひとりコツコツいそしむという仕事ぶりを取っているから、当座の人は、与八の仕事の忠実なることは感得するけれども、忠実なる仕事の成績ぶりにはあまり注意を払わしめられない