Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 86.467 Zeichen · 168 Bildschirme
「そうして、まあこうして人間がすべて慾のかたまりで、親も、兄弟も、親類もなく、結局、持っているものを奪い合うという浅ましい世の中が、どうなって行くものでしょうかねえ」
「左様……」
「人間が、あんまり慾一方で浅ましいものですから、それだから山が裂けて、この世が一体に火になってしまうのじゃないかと言う人もあります。なかにはこんな浅ましい餓鬼のような人間は、一度、大掃除をしてしまった方がいいなんて言う人もあります」
「見ようによっては、そうも見られないではありませんね」
「人という人が、恩を忘れ、慾のために人を売るようになってしまっては、全く神様や仏様が、人間に水だのお米だのを与えて、生かして置くことがおいやになるのも無理はありませんね」
「なるほど」
「まあ、お聞きなさい、弁信さん、また山鳴りの音が轟々と高くなってきました。あなたの眼には見えますまいけれども、どうです、実に怖ろしい唐傘のような雲が湧き上ったことを、これこんなに灰が降って来ました」
こう言ってお雪ちゃんは、東の空に濛々と立ちのぼる車蓋の如き雲を眺めながら、弁信の法衣の袖にかかるヨナを、しきりに払い除けてやっていました。