Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 254.021 Zeichen · 495 Bildschirme
床の間には三藐院の掛物がかけてありました。三藐院の掛物は感心こそすれ、あえて異様とするには足りないのですが、その下の置物がたしかに異様でありました。そこには一個の人間の髑髏が、暗然として置かれてあったからです。
「変な置物だな」
伊太夫は、つくづくと一時それを見ましたけれど、わざわざ立って、コツコツと叩いてみるようなことはしませんでした。色も、形も、ほぼ完全なる人間の首の髑髏にはなっているが、まさか本物を飾って置くとは思いませんでした。主人が好事家で、凝っての上のもてなしだろうとも感じましたが、それにしても、凝り方が少し厳しいとまでは思いましたけれども、伊太夫としては、それにうなされたり、取りつかれたりするほどに弱気ではなかったのです。
だが、彫刻にしてはなかなかうまい。うまいまずいは別としても、真に迫っているとまでは思いました。これを彫った奴は相当の腕利きだわいと次に少し感心し、それから最後に、木彫か、牙彫か、何だろうと、ちょっとその材料の点にまで頭を使って見たようですが、なお決して、伊太夫は、それに近づいてコツコツと叩いてみるような無作法には及びませんでした。