Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 254.021 Zeichen · 495 Bildschirme
御奉納も豊かである。何を苦しんで深夜を選んで台所口へ残肴を漁りに出かける必要があろう。
そこで今晩は、特に趣向を変えて、当時はやりの青白い浪人姿となって、ふらりと夜中の散歩を試みたと見れば見られる。
左様に覆面こそしているが、忍びのいでたちはしていないし、忍びの呼吸にもなっていない。この通りふらりふらりと着流しで歩いてはとまり、とまっては歩いているのだから、兇悪なる屋尻切の目的を以て外間からこのところへ狙い寄った白徒でないことは確かです。
大通寺の境内は広いから、夜更けてのお花さん狐の散歩区域に不足はない。
五十四
こういった化け物が、長浜別院の境内にそぞろ歩きをはじめた時分――これも有名な「玄関の松」の木の下方で、子供の咽び泣く音が起りました。
仮りにも玄関といえば表の方でなければならないし、昔は大手門であっても、台所門と名を変えた以上は、どうしても裏手の方でなければならない。
そこで、お花さん狐が、覆面の落し差しに化けて、彷徨い出した方面と、今、子供の咽び泣く音の起った方面とには、裏と表の相違がなければなりません。
裏の覆面は推理上異様なものでしたけれども、表の「玄関の松」