Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 254.021 Zeichen · 495 Bildschirme
の下の子供の泣き声はさのみ変化の声とは思われません。時が時、ところがところで、子供だけがひとり泣いているのだから、それは不自然は不自然に相違ないけれども、こういう不自然は人間社会に於ては、いつの世にも絶えない不自然で、深夜、松の木の下の寒空に、乳呑児ひとりだけを泣かして置くという親には、親としての因縁がなければならぬ。つまり、これは棄児なのでした。
すでに、どのくらいの時間の前であったか、この松の木の下へ持って来て、産み落して四月ばかりになる人の子を一人持って来て、捨てて置いたものがありました。
親というものは、裸で産み落したにしても、その子を捨てるのに裸ではすてない。時として身分不相応な装飾を施し、できるだけの保護を加えた上で、捨てるのを習いとする。
今、捨てられた子を見ると、相当の籠の中に入れて、その周囲をまだ新しい、特にこの子を捨てなければならないために手製したと思われる小さな蒲団をしいて、その上に、縫目も縞目も新しかるべき仕立卸しの衣服をもって固く夜風をさえぎっている。なおそのほかに、籠の左右にこぼれたものを見ると、でんでん太鼓だの、風車だの、ピーピーだの、おしゃぶりだの、そりいうものが積まれているのみか、徳利の頭へ管をつけて、その管の一端が、子供の口許にまで導かれて結えられている。