Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 254.021 Zeichen · 495 Bildschirme
大阪風の竹田頭巾でもなく、二幅錣の宗十郎頭巾でもない。
直角的な山岡頭巾でなく、曲線的の船底頭巾でもない。
猫頭巾――抛頭巾のいずれでもなく、まして女性の専用とした突頭巾のいずれでもなく、近代形の韮山頭巾でもない。
本来これは、どの形、どの式といって作ったものではなく、単に有合せの織物をとって、これを適宜に切らせて、独流に巻き上げたもの、その形から言ってみれば、ここから程遠からぬ叡山の山法師の初期に於て流行した、あの「裹頭」という姿が最もよくこれに似ている。
物ごとはすべて、習うよりは慣れろですから、頭巾の巻きっぷりにしてからが、ああもしたら、こうもしたらと、見えに浮身をやつすよりは、数を多くかぶるに越したことはない。数を多くかぶっていさえすれば、ことさらにスマートを気取らなくても、一見して整った形になり、整った揚句に、ちょっと人を魅する姿勢が出来てくる。
これはあえて頭巾のかぶりっぷりに限ったことはあるまい。手拭一つ被らせてみたところで、野暮と粋とは争われない――況んや大機大用に於てをや――というわけだ。
そこで、この人の覆面ぶりは慣れて、おのずから堂に入ったものがある。