Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 254.021 Zeichen · 495 Bildschirme
というのは、七十以上のお婆さんの身で、真夏でもあれば知らぬこと、もう晩秋といってもよい時分に、単身で富士登山をしての戻り道だということを聞かされてみると、与八も鈍感な頭をめぐらして、このお婆さんの、皺くちゃな身体を見直さないわけにはゆきませんでした。
しかし与八は、必ずしもそのことを疑いはしませんでした。与八の頭は、何事でも無条件に信じ得るような頭になっているのですから、むしろただ、そういう人が、今、お婆さんの形をとって、自分の眼の前に現われてくれたことの大いなる驚異に目をみはって、あらためてお婆さんの皺くちゃな身体を見直したまでのことです。
九十
やがて、お婆さんがお湯から上ると、与八は郁太郎を背負い、この浴場からお婆さんを導いて、自分の教場へと連れて来ました。
教場といっても、それは特にしつらえた建物ではない。暴女王お銀様がこしらえた悪女塚を取崩して、そこへ構えこんだ与八小屋が、おのずから教場となり、校舎となっている――そこへお婆さんを連れて来ると、早くも子供たちが群がって来ました。
「与八さん、お早う」
「おじさん、お早う」
「先生、お早うございます」