Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 254.021 Zeichen · 495 Bildschirme

Aozora Bunko

「弱りましたな」

「弱ることはない」

「とにかく――その、殿様、殿様のおっしゃるところにも、そりゃ一理あるにはありますが、どうもはや……とにかく、女房はいけませんよ、主ある女はいけません、何でしたら、そのうちいいのを物色いたしまして、殿様のお望みを叶えることに致しやしょう、そう短兵急におっしゃられては困ります」

「逃げ口上は許さぬ、おれがいったん口に出した以上は、横にでも、縦にでも、車を押切るのだ」

「でも、人の女房はいけません、主ある女はいけません――ほかに」

「なぜ、いけない」

「なぜとおっしゃりましても、売り物買い物なら、それは差支えございません、素人でございましても、色の恋のというまでもなく、得心ずくでしたら、そりゃ横恋慕もかなうことがございましょう、毛唐とはいえ、れっきとした商館の女房を取持て――こりゃ御無理でござんしょう」

「無理でない」

「無理でないとおっしゃるのが、無理の証拠でござんしょう」

「無理でない――なるほど、こっちの倫理道徳から言えば無理かも知れないが、毛唐の奴には無理でない」

「毛唐と申しましても、人間の道に二つはございますまい」

「ある、二つも三つもある、毛唐は即ち外道なんだ、聞け、鐚公、こっちでは、娘のうちももとより、女の貞操というものを重んずるが、女房になってからは絶対的だ、娘のうちは多少ふしだら