Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 254.021 Zeichen · 495 Bildschirme

Aozora Bunko

「それからまた、この土地に絹の会所があって、そこの頭株に大金持がいて、そいつが横暴だといって、恨んで火をつけようとする奴が潜入している」

「え、火放けが来ているのか」

「そうだ、だから、今晩あたり、焼討ちがないとはいわれない」

「焼討ちがかい」

「うむ、火事があるかも知れない。そんなようなわけで、他国の者にはわかるまいが、この長浜の町は、外見の穏かなわりに、内部に殺気が籠っているというわけだから、うっかり夜なんぞ出歩くのはあぶないというのだ。よって、君は今晩素直にここへ泊るか、そうでなければ、長浜の町へ出ないで、ほかの道を通って胆吹へ帰るなら帰り給え」

青嵐の言ってくれることは穏かで、そうして親切です。だが、どうも米友の頭には、それほどに響かないものがある。

「せっかくだが、そう聞いてみると、いよいよこうしちゃいられねえ、おいらは出かけるよ」

と言って、つと立ち上って、杖槍に手をかけた気勢、とどむべくもなしと見たものですから、

「じゃあ、大事にして行き給え、近いうち拙者は君たちの胆吹王国をたずねてみるよ」

「ああ、いつでも来なよ」

と言い捨てて、米友は早くもこの庫裡を飛び出してしまいました。