Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 254.021 Zeichen · 495 Bildschirme
そこはさすがにその昔、太閤秀吉が鎮めて置いた土地柄とでもいうものか。ただ、時々の夜廻りは、水も洩らさぬように粛々と練って行く。それも極めて規則的であり、時間に於ても、ほとんど一定の節度がある。それを程よく、やり過しさえすれば、無人の境を歩くと同様な静けさの中を、米友は飛び歩いている。
彼は、前の晩に犬の斬られたという大通寺の門前のあたりも、それと知らずして通り過しました。町から町、辻から辻、江戸に於て本所、深川、永代、両国を、はてもなくつけつ廻しつ、さまよい出した経験を有するこの男にとっては、長浜の町は甚だ狭い。奥へつき進んだつもりで、かえって湖畔へ出たりしてしまいました。
湖畔に立って、烟波浩渺たる湖面の夜に触れると、そこにまた、この男特有の感傷に堪えられないものがあって、
「おい、琵琶を弾く、めくらの、お喋りの坊主やあーい、離れ島にたった一人で残された坊主――無事でいるか、やあい」
こう言って、また慌ただしく町の方へとって返して、前の如く軽快に、用心深く、深夜をあさってみたが、幾時かの後、町の辻の中央で、ぱったり足をとどめたかと思うと、急に飛び上って、地団駄を踏み、