Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 178.374 Zeichen · 345 Bildschirme
せ、今後とても、そういう希望を以て、君を世に出して上げることが覚束ない、それを思うと、自分の罪に戦かずにはいられないのです。人というものは、己れの理想に熱中していると、知らず識らずその家庭に大きな犠牲を作るものだということを、今ごろ、つくづくと考えさせられた次第なのです。そこで、そなたの身が不憫でならなくなりました、今までは、物としての人を見たのですが、今は人としての女を見たのです、自分の心の弱き部分が綻びて、血を出したようなものなのです、深く気に留めないで下さい」
物やさしく言う駒井の言葉が、今日はナゼかお松の心を動かすことが深く、いつも、はきはきと答える言葉が、今日はまとまらず、この深甚な、異例の言葉に対して、何と挨拶すべきか、お松はぽっとしてしまいましたが、やがて、卓の上に泣き伏してしまいました。声を揚げて泣いてしまいました。
二十六
その時から、駒井甚三郎とお松との間の感情が、平静を失いました。
お松は、駒井にとって唯一の秘書であり、助手であることは変りはありませんけれども、今までの虚心であることができません。この人に近づくことに、心を置かなければならなくなりました。