Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 178.374 Zeichen · 345 Bildschirme
口数が少なくて、働くことは三人前もしますから、この点に於ても申し分はありません。そうして、張りきって何不足なく働くものですから、体力もみるみる実が入って、はちきれそうな肉体の豊かさを、紺飛白の着物の下から、唐ちりめんの赤い襷帯締の色から、甲掛脚絆の外れから、惜しげもなくはみ出して見せるところに、七兵衛が思わず見とれて、そうしてまた思いました、
「ここにも娘盛りがいる、今はまだいいけれども、そのうちに、と言っているのでは遅くなる、何とかしなければならない、何とかしてやらなければならない、何とかするといっても、もう世界は限られているようなものだから、いずれは、この組の中の誰かに合わせてやらなければならない、そのうちに当人が誰を好くとか、誰ぞがぜひにとか望んで来るものがあるに相違ない、打ち出してそう言えないうちに、それを見てやらなければならないのは年寄の役だ、だが、危ないものだなあ」
と七兵衛が、年寄心で、それからそれと取越し苦労に耽って行く。
「危ないというのはほかではねえ、この国には男が多くて女が少ない、少ないというよりは、まだ男の数は、そうと、十三人を数えるけれども、約束済以外の女といっては、まあこの娘と乳母――は、これはもう一度卒業したんだから、明いているといえば明いているが、初物とは言えねえのだ、してみる