Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 178.374 Zeichen · 345 Bildschirme

Aozora Bunko

それさえ、この数日間は姿を見せない。毎日一度は来た駒井船長が、船へ姿を見せないことによって、陸の方の事務がそれだけ忙しいことがわかります。忙しいというよりは、それは、あの晩の事あって以来のことですから、お松を必要とする限りに於て、駒井はその新館の一室から、助手を手放すことを好まない。ほとんど終日を二人は、一室のうちに扉をおろし、カーテンを卸して研究に耽ることさえあるのです。このごろは、開墾地の見舞をさえも怠りがちになることすらあります。

「船の中でも、そうでしたが、よくまあ、あれだけ根がつづくものですねえ、朝から晩まで本を読んで、調べものをなさって、それでお飽きになるということがない、お手助けをなさるお松さまも、学問がお好きの道なればこそで、ほかの者ではつとまることではございません、殿様もよく勉強をなさるが、お松さまの仕事も、ほかの人でつとまりっこはない、お好きの道とは言いながら、よくもあんなに精がつづくものでございますね」

と、無邪気なお喜代が、同情のあまり、七兵衛に向って感歎して言いましたが、七兵衛は、

「人間、好きな道には命さえ投げ出すよ、仕事というものは、外で人の見るほど苦になるものじゃない」