Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 178.374 Zeichen · 345 Bildschirme
酒を飲み出すと、興にのって、土肥庄次郎らがこういうことを口走りました。これは極々の秘密事項だから、断じて口外はならんが、拙者と五郎魔が、今晩、鈴木重役へ相談に行ったのは、当時流行のスパイ一件のためであるということで、それはこのごろ、上方から間諜がこの上野の境内へ入り込んでいる、ドコにどういう奴が幾人入り込んでいるか、そのことはわからないが、その目的だけは、はっきりわかっている、それは輪王寺宮御所蔵の錦の御旗を盗み出さんがためである、無論、盗まんがための盗みではなく、西国方の廻し者であって、宮のお手元に錦の御旗を置くことは、何かにとって危険極まりがないから、それを盗み取って、善処しなければならないという、そのたくらみの目的だけは、庄次郎が聞き込んでいる、それを警戒のために鈴木安芸守に耳打ちに来たのだが、今度、我々に於ても抜かりなく、そこへ眼をつけて、やはり、間者を取って押えなければならぬということです。
これは土肥庄次郎の打明け話で、次は大師堂五郎魔の実験談――
つい昨晩のこと、五郎魔が、お茶の水の首縊松の下を通ると、若い奴が一人、今にもブラ下がろうとしているから、五郎魔が直ちに抱き留めた。