Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 178.374 Zeichen · 345 Bildschirme
本街道を外れて、わざわざ長浜の町を突切るくらいだから、何かこの土地にからまるべき因縁があるに相違ないと感づいたのです。
そこで、逸早く彼を取っつかまえて、泥を吐かせようと、かけ出してみたのですが、足に物を言わせることにかけては、こいつに敵いっこはない。見る間に、その後ろ影を町並の角に見失ってしまいました。兵馬は歯がみをしたけれど追っ附きません。空しくその走りくらましたあとについて急いでみると、琵琶の湖畔に出てしまいました。いわゆる臨湖の渡しであります。そこまで来た上は、この先はもう、湖であります。左へそれたか、右へ走ったか、そのことはわからないが、あいつの目ざすところが、北でも、東でもなく、西に向っていることに於て、当然、彦根、大津、京都の本街道を飛んで行くものに相違ないと思いました。
そうでなければ、この地にとどまって、何か、あいつ相当の謀叛を企てる、もうこの上は長追いは無益である、あのやくざがこの界隈に出没しているということを基調として調べてみれば、存外、獲物があるかもしれない、そう思ったものですから、兵馬は臨湖の岸まで来て、急がず、湖上遥かに見渡して、その風景に見恍れて彳んだが、それからおもむろに湖畔を逍遥の体で歩んで行くと、ふと岸の一角に、まだ新しい木柱の一つ立つのを認めました。