Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 178.374 Zeichen · 345 Bildschirme
それから、兵馬の頭に来た、何の拠るところとてはないけれど、ひしひしと迫る暗示は……
机竜之助はもう死んでいるのではないか、死んでいるとすれば、確かに殺されて、この世に亡き人の数に入っている、彼を殺した人は何者、それは右の覆面の女賊のほかのものでありようはずはない、少なくともこの胆吹山まで来て、ここで竜之助は殺されてしまっているのだ。
という暗示が兵馬の胸に食い入りました。湖中で心中というのは嘘だ、こしらえごとだ、でなければその女賊が、なんでわざわざ、まだ死骸も、水の物か陸の物かわからない先に、先走って供養塔などを立てるものか、それは世を欺く手管だ、本来は、竜之助はここで殺されている、その死を装わんがためにわざと湖上で死んだようにもてなしているのは、女賊の張本の芝居である。
机竜之助は、すでに殺されているのだ、胆吹の山の女賊の手にかかって亡き人の数に入っている、それに相違ない、そう思われてならない、そうだとすれば哀れな話だ、彼に憐れみを加える余地は微塵もないが、あれがこんなところで、女の手にかかって一命を果す、それも無惨や縊り殺された、なぶりものになって縊り殺されたとは何という悲惨な、そうして、何という醜態だ。