Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 178.374 Zeichen · 345 Bildschirme

Aozora Bunko

、寂光院に限ったことではございません、ドチラへつとめましても、お腹がすくものでございますから」

「食べるぐらい結構だよ、年寄でそのくらいお腹がすくのは、つまり身体が健康な証拠だね」

竜之助も詮方なしに、慰め気分で言うと、老婆は、

「はい、はい、そう思って、あきらめるよりほかはございませんが、なにぶんにも、食べるとは食べるとは直ぐにお腹がすいてしまいますので、ドコにも永く勤めることができません、よんどころなく、こうしてお釜を背負っては、旅に出るのでございます」

「なんにしても、エラく大釜らしいが、いったい何升炊きだい」

「はい、八升炊きでございますよ」

「八升炊き! 驚いたなあ、その釜で飯を焚いて食べて、まだお腹がすくのかい」

「はい、はい、それでも直ぐにお腹がすいてしまいますが、意地にも我慢ができないのでございますよ」

斯様に話をしている間に、釜の中がフツフツと沸騰をはじめて参りました。この時、竜之助がフト考えるよう、

「婆さん、釜が沸いてきたようだが、米はどうなんだい、釜ばかり仕掛けても、中へ入れるお米というものがあるのかい」

「はい、はい、お釜一つでさえ、この通り重いものでござんすから、とても、この中へ入れて炊くお米まで持って歩くわけには参りませぬ」