Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 178.374 Zeichen · 345 Bildschirme
。盗んだ物とすれば盗んだ奴に罪はあるが、拾った者に罪があるはずがない。拾って、しかしてこれを隠せば当然罪になる。拾ってそうして我が物とすれば、これは猫婆というものであって、泥棒に準じた罪に置かれることは米友もよく知っている。
ただ、米友の場合、困るのは、拾い主には拾い主としての義務がある、責任もあるというその心配なので、まず第一に、自分の住所氏名から訊される、これが苦手であること。領分は変り、国境は違っているのだけれども、いったん生梟しにまでかけられた自分の古瑕が、不必要なところであばかれた日には気が利かねえやな。
いやだなあ! そこで、米友は一気にあきらめてしまって、その金袋を、通行人の隙をうかがって、三宝院の境内の藪の中へ投げ込んでしまったのです。
そうして置いているうちに、暴女王と女親方の方の宝物拝観も、御庭拝観も済んで、また三位一体となって、この光仙林へ立戻って来たには来たが、またも、あの金袋で苦労する。金で苦労するのは、大抵の場合は、金の欠乏で苦労するということになるが、米友の場合は、金があり過ぎて苦労をする。ああして置けば早晩、誰か発見する、発見された日のお取調べという段になると、結局は、探りさぐって、このおいらが呼出しということになってみると、どうでも事がうるさいよ。