Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 178.374 Zeichen · 345 Bildschirme
してみると、たずねる山は、このお屋敷かな、その気になって見ると、どうやら少々臭いぞ、だが――ここは大トバの開かれるキボでねえと、がんりきの鼻は直ちに否定してかかったけれども、それでも念のためと、今度はひとつ、表門から正式は憚りがあるとして、裏門の方からこっそり探りを入れてみようじゃないか。
その気取りで、がんりきは垣根をグルリと一めぐり、裏門の方へ向ったが、どうも、ややともすると胸がドキついてならない。敵を見て、人見知りをするような兄さんとは兄さんが違うと、自分で力んでいるのだが、なんだか胸がドキつくというのは、考えてみると結局、あの今の頭のでっかい、色の黒い、眼つきの怖ろしく光る、あのおやじの眼つき、面つきが、変に頭に残ってならない。
どうも、あのおやじは只物でねえ、人によって威光というやつはあるが、一眼であんなに睨みの利く奴にでくわしたことがねえ、どうもあれが魔をなすんだな。あの眼で、「何だ!」と言って、一睨みされた時から、おこりをわずらった。なんだか、この屋敷は怖いよ、見たところ、下屋敷でべつだん用心の構えも厳しいというわけじゃあねえが、ちっとばかり犯し難いな、犯し難え気がするよ。