Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 178.374 Zeichen · 345 Bildschirme

Aozora Bunko

「あっ!」

と、自分で自分の髪の毛をかきむしってとび上りました。

「そうら、こちらの方でも御用とおっしゃる」

今度は一っ掴み、数でこなしてバラ蒔いて、

「あちらの方でも御用とおっしゃる」

指の股へ四枚はさんで、四枚を同時に振り出すと、それが眼あるもののように飛び出して、相手四人の顔面へ好みによって喰いつこうというのだから、眼も当てられない。

「こちらの方でも御用とおっしゃる」

恵方を向いた年男。

「あちらの方でも御用とおっしゃる」

蛤をつまみ上げた長井兵助。

これを見て、がんりきの百の野郎が、手を拍って嬉しがりました。

「寛保二年、閏十月の饑饉、武州川越、奥貫五平治、施米の型とござあい――」

頼まれもしないに寄って来て、袋の結び目から、受けなしの片手をさし込んでの一掴み、口上交りで米友の手伝いをはじめました。

「下総の国、印旛の郡、成田山ではお手長お手長」

いい気持になって、人の懐ろで施しをはじめる。友兄いほどにはないが、こいつもまた、相当の曲者で、投げる銭に眼はつけないが、鼻ぐらいはくっつけて飛ばすから、受けきれない。

さしもの献上組も、これには全く辟易していると、頃を見計らったがんりきの百蔵が、米友を顧みて、