Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 104.838 Zeichen · 204 Bildschirme

Aozora Bunko

月に心を傷められると、身に思い当る人という人の運命を思いめぐらして、その人たちのためにも泣かざるを得ない気持に迫られました。

宇津木さんも苦労をしているが、机竜之助というやつ、憎いも憎い悪人だが、それでもどうかすると、何とはなしに、かわいそうに思われてならないこともある。七兵衛おじさんの親切は再生の親も同じとは思うが、それにしてもあのおじさんも、もう少し落着けないものかしら――足の速いことが仇になって、一つ所にじっとしていられないために、よけいな苦労を求めて廻る、あの持って生れた速足さえ無ければ、ほんとに暢気なお百姓さんで苦労なく一生を暮して行かれようものを……駒井の殿様だってそうです、あの御器量と、学問さえ無ければ、立派なお旗本として、わたしたちなんぞはお傍へも寄れないところにいらっしゃれるはずなのを……

人間は、能が無いために苦しまないで、能があるために苦しむ、人に優れたものを持つが故に、かえって人並よりも苦しまなければならない。自分なんぞは何も能は無いくせに、苦しい運命に置かれることだけは人並以上な心持もするが、それは自分だけの勝手の見方で、能がないからこそ、このくらいの苦労で済む――もし何かすぐれたものがあれば、もっと苦しい思いをさせられなければならないのかも知れない。