Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 104.838 Zeichen · 204 Bildschirme

Aozora Bunko

白雲はそうして、のぼせきって川をながめている間に、もともとこの地点は渡頭のことで、仙台から南部へ通ずる要路でありますから、いかに北地のこととはいえ、一人、二人、三人の旅人が川岸へ集まって来るのであります。漁者もあれば樵者もある、農工の人もあれば旅の巡礼もある、馬もある、駕籠もあろうというものです。それがやがての間にかなりの数にまとまって、そこで一同が誰言うとなく、ブツブツと言い出しているうちに、じれったがる声、船頭を呼ぶ声が口々を突いて出でたので、それとは少し離れて高いところになっている地点で、右の如く風景をほしいままにし、空想を食物としていた白雲の耳にまで届くようになりました。

「なるほど……舟が出ない、拙者のように風景を食物として、心目を遊ばせている身とは違い、人生の必要あって旅程を急ぐ人にとっては、待たせられるのは長いものだ、待つ身はつらいものだ、なるほど、待たせるにしても、これはどうも少し待たせ過ぎるな、いくら北のハテの暢気な土地柄にしても、あまりに悠長な船出ではある、自分が来てからでも、これだけの時間、もうこれだけの人が集まっている、船頭が顔を出してもよかりそうなものだ」