Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 104.838 Zeichen · 204 Bildschirme
「あ、そうだ、よしんベエを買いに行くんだろう」
「そうなんだね」
「そうよ」
「そうにきまってるよ」
「憎らしい殿様、ビビ――」
と女の子の一人が、眼をむいて、主膳の後ろ姿に向って唇を突き出すと、
「ビビ――」
寄っていた子供たちが、すべて、出て行った神尾の後ろ姿に向って、眼口を突き出しました。
こうして、屋敷の裏門を出た神尾主膳は、子供たちの想像するように、必ずしも吉原へ行くものとは受取れない。
根岸の里をふらつき出した神尾主膳は、どこをどう踏んでいるのだか、自分でもよくわかってはいないらしい。ふらふらふらと、人通りのないところ、或いは人通りの劇しいところを、無性に歩いて来たが、あるところで、
「駕籠屋、築地の異人館まで急いでくれ、異人館、知っているだろう、赤髯の巣だ、毛唐が肉を食っているところだ、行け行け、異人館へ乗りこめ――酒料はいくらでも取らせてやる」
やがて威勢のいい駕籠の揺れっぷりで、神尾主膳の身はかつがれて宙を飛んで行く。
その行先は、もうわかっている、すなわち築地の異人館。