Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠10

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠10 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 285.635 Zeichen · 558 Bildschirme

Aozora Bunko

「塩加減にも、違いがあるのですか?」

「ありますとも……普通の海水は大抵、千分の三十四五ぐらいの塩分を溶解しておるのですが、それでも物を浮かす力はとうてい河の水の比ではない……これは海ではありませんが、アメリカのユタというところにある湖は、千分の二百五十も塩分を含んでいるそうですから、人間が落ちても、どうしても沈まない、この湖では、泳げないものでも決して溺死をするということがない、また身投げをしても、死ねないからおかしい」

「ははあ……そういうものですか」

田山白雲は、感心して、沈黙させられてしまいました。

自分の印象的な、感激的な頭を以て、斯様な穏かな説明を聞かせられると、感心の度が深いと見える。駒井にあっては尋常茶飯の説明も、持たぬ者より見れば、持つ者の知識の影が、大き過ぎるほど大きくうつるのも免れ難い弱点かと思われる。

かくて二人はまた、海をながめながら海岸を歩んで行くうち、言い合わせたように二人の眼が、ハタと地上に落ちて足をとどめました。

駒井と、白雲とが、急に踏みとどまった砂浜の上には、ぬかごにしては大きく、さつまいもにしてはぶかっこうな根塊らしいものが、振りまいたように散乱しておりました。