Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠10
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠10 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 285.635 Zeichen · 558 Bildschirme
「おや、おれより先に寝ついたのか」
兵馬は驚いて、枕をそばだてて見ると、女は畳の上に腕を枕にして、いい心持で横になっている。こうなっては仕方がない、ゆり起して帰すよりほかに手段がないと、帯引きしめて兵馬は起き出して来ました。
前後も知らず寝込んでしまっている女を兵馬が見ると、さまで醜いとは思いませんでした。本来、女の酔っぱらいほど醜いものはないのに、これは醜いというよりはかえって、絢爛にして、目を奪うという体たらくです。
友禅というのか、縮緬というのか知らないが、これは、眼のさめるほどの極彩色のいしょうをつけて、無雑作に片はだぬぎの派手な襦袢の、これ見よがしなのも、そんなにキザとも思われず、つやつやした髪を、男まげに雄渾に結い上げたところもいや味にはならず、なんだか豪侠な気が胸に迫るようにも思われます。
それに、こってりと濃い化粧をした女の顔も、吉原あたりで見る鉄火のようなところもあって、年も二十を幾つか越したぐらいのところ、芸者としては、今を盛りの芸者ぶりで、立派に江戸芸者で通るほどの女でありましたから、兵馬も一時はあわてました。
やがて、そばへよって、女の肩のところに手をかけて、