Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠10
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠10 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 285.635 Zeichen · 558 Bildschirme
したが、しばらくあって、何に興を催したか、宇治山田の米友が、松本の町はずれで、ふと大きな声を出して、
十七姫御が旅に立つ
それを殿御が聞きつけて
とまれとまれと袖をひく
それでとまらぬものならば
馬を追い出せ弥太郎殿
明日は吉日、日もよいで
産土参りをしましょうか
宇治山田の米友が唄をうたい出したので、驚かされたのは道庵先生です。
「友様、お前も、唄をうたうのかい」
大衆の空想も、なにもすっかり忘れて、道庵が驚嘆しました。
二十四
中房の温泉についた宇津木兵馬は、とりあえず宿について、様子を見たけれど、これぞと心当りの者もない。
一軒の温泉宿が中房の総てであります。
どれを見ても、みんな素姓の知れたもの、ただ一組、駈落者らしいのがあるという話だから、それとなく探ってみると何のこと、田舎の新婚の夫婦が他愛もなく、じゃれているだけのもの。
とにかく、その夜を明かして翌日。兵馬は炉辺にいて、焚火にあたりながら、入れかわり立ちかわる人、といっても、そう多くの数ではないが、それをとらえて自分が主人顔に話をしてみる。この夏中からかけて入浴に来た客のそれぞれについて、探りを入れてみる。