Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠10
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠10 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 285.635 Zeichen · 558 Bildschirme
生きていることが不思議だ……と呆れているのか。
いやいや、おれはまだまだ生きる。自分が生きるということは、つまり人を殺すことだ……何の運命が、何の天罰が、この強烈なる生の力を遮る……と叫んでいるのか。
さりとは長い長夜の眠りだ。もういいかげんで眼をさましたらどうだ。
いつの世に永き眠りの夢さめて驚くことのあらんとすらん――と西行法師が歌っている。誰か来って、この無明長夜の眠りをさます者はないか……かれは、天上、人間、地獄、餓鬼、畜生に向って、呼びかけているかとも見られる。
その時、お雪ちゃんが火を持って来ました。それを上手に組み合わせて、自然に、おこるようにして置いて、灰をかけ、蒲団をかぶせて、お雪ちゃんも、多少遠慮をして、炬燵の一方に手をさし込んであたりながら、
「先生、これからは、もう当分外へ出られません。おひとりでこうしておいでになって、淋しいとは思わない、つまらないとはお思いになりませんか」
「思ったって、仕方がないじゃないか」
「仕方がないっていえば、それまでですけれど……わたしはほんとうに、あなたをかわいそうだと思うことがありますのよ」
「思うことがあるだけじゃつまらない、いつでも思ってくれなくちゃあ」