Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠10
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠10 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 285.635 Zeichen · 558 Bildschirme
その日、東妙和尚が伴僧を連れて来て、地蔵様の前で地蔵経を読んでくれました。特にその日は、和訓を読んでくれたものですから、お経はわからないものだと思っているお松の耳に、意外にもありありと字句の要領がわかりました。
供養が終ると広庭で、若衆たちの獅子舞がはじまりました。
この獅子舞がまた目ざましく盛んなもので、多数の牡獅子と、牝獅子と、小獅子とが、おのおの羯鼓を打ちながら、繚乱として狂い踊ると、笛と、ささらと、歌とが、それを盛んに歌いつ、はやしつつ、力一ぱいに踊るが、それは粗野ではない。花やかにはやすが、それは古雅の調べを失わない。人をして壮快に感ぜしめながら、野卑の態なくして、妙に酔わしむるリズムがある。
お松はこの古風な獅子舞を、また得易からぬものだと思いましたが、年寄に聞いてみても、ただ古くから伝えられているとばかりで、いつの頃、誰によって、この地方へ持ち来たされたものだか、それはわかりませんでした。
その古風な舞いぶりを、今の若衆たちが老人の後見で、伝えられた通りを大事に保存しながら、威勢よく舞っているらしいのが、お松をして、いっそう珍重の念を起させたようであります。