Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠10
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠10 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 285.635 Zeichen · 558 Bildschirme
あんまり有難くは聞けない諫言立てを、聞いているのがばかばかしい。
「君たちのいいようにし給え」
と兵馬は、聞きようによっては自暴に聞けるようなことを言って、また最初の通り、縁台の上へゴロリと横になってしまいました。そうすると、仏頂寺は女の方へ向いて、
「ねえ、松太郎君、君もそうだよ、いかに商売柄とは言いながら、少しは分別というものをおいてもらわなくちゃならん、無茶苦茶をやっては、つまり己れの身が詰まるばかりだ」
「それはよくわかっていますけれども、どうも仕方がありませんわ、運命というものなんでしょう、わたしたちの身の上なんぞは、世間並みにごらんになると違います」
「その運命というやつが不思議なものなんだ。ところで、どうだ、正直のところ、ああは言ったものの、君も一旦は浅間へ帰るとしても、末長くあの地にもいづらかろう、どうだ、われわれと一緒にどこぞへ行かないか」
「どうせ、ひびの入ったからだでございますから、どちらへでも、住みよいところへ行って、たよりになれるお方にたよりたいと思います、どうぞ、よろしく」
「は、は、は、は」
なにゆえか仏頂寺が、わざとらしい高笑いをしたのが、兵馬の耳にたまらないほどのいやな思いをさせました。