Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠10
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠10 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 285.635 Zeichen · 558 Bildschirme
「ええ、よく存じておりますよ……きれいな子も多いが、君ちゃんは品が違いましたよ。ようござんしたね、人柄がようござんした、ほんとうに惜しいことを致しましたよ」
「わたしも、本当に惜しいことをしたと思っているのさ、ああなるくらいなら、別に考えようもあったものをね」
「全くでございます、好いが好いにはなりません、悪いが悪いにゃなりません」
「そうして、あの君ちゃんの殿様てのは、その後どうなったか、おまえ知ってる?」
「存じませんが、ありゃ馬鹿ですよ、馬鹿殿様の見本みたようなものでございますよ」
「何をいってるの」
「え」
お角の言葉に少し険があったので、若いのは急にしりごみをしていると、
「出放題をいうものじゃありません、馬鹿だか、エラ物だか、お前なんぞにわかってたまるものか」
「でも、親方……」
「女に迷ったってお前、それが何で馬鹿なもんか、迷えるくらい結構じゃないか、高い身分で、低い身分の女を可愛がって、それがどうして悪いの、思案の外のところがあってこそ、人間のエラさがあるんだよ、お前なんぞに、あの殿様のエラさがわかってたまるものか」
政どんは、なにゆえに親方が急に不機嫌になったのだかわからない。