Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠10
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠10 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 285.635 Zeichen · 558 Bildschirme
「そうでござんすかねえ」
「そうだとも、お前」
若いのには、どうして、親方がこうも躍起になるのだか、さいぜんからめんくらっているらしい。
まあまあ、三千石も取る、そうして前途有望で、ドコまで出世するかわからないと言われた人が、タカの知れた身分違いの女一人のために、名誉も、身上も、棒に振ってしまった、全く馬鹿殿様と言われても仕方があるまいではないか。それを、親方のお角が、何でこんなに身を入れて、弁護するのだかわからないが、うっかりその殿様の悪口をいえば、親方の御機嫌がこの通りに損われるということだけは、この際、ハッキリと経験したから、以後は自分も慎み、朋輩にも申し聞けておかねばならぬという戒慎の心だけは起ったらしい。
「そうでしょうね、やっぱり、エライ人は、エライんでござんしょうよ」
詮方なく感心しておくと、
「それからね、政どん」
「はい」
「わたしは、申し置いて来るのを忘れたが、あの絵の先生ね」
「ええ、田山白雲先生でございましょう」
「そうそう、あの先生に、一言おことわりをしておくのを忘れちまったから、あとからもしや間違いがなけりゃいいと気のついたことが、たった一つありますよ」