Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠10
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠10 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 285.635 Zeichen · 558 Bildschirme
ふふん、目先の利かない胡麻の蠅だ、人を見て物を言っておくれ、というような面つきで、嘲笑を鼻の先にぶらさげて、お角は、さて仰向けに寝返りを打って、眠りにとりかかろうとした途端に、夜具の襟でチクリと頬を突かれたものだから、見ると、不思議千万にも、珊瑚の五分玉の銀の簪が、夜具の襟の縫目にグッと横に突きさしてあって、その一端が自分の頬ぺたを突いたことを知りました。
何だい、今日はいやに、小間物でおどかされる晩だ――お角は、その五分玉の銀の簪を、夜具の襟から引きぬいて、じっと枕行燈の光で、仰向けになりながらながめると、どうも覚えがあるようだ。見たことのあるような簪であります。
わかった、これですっかりお里が知れちゃった。がんりきだ、がんりきの百蔵だ、これは百のいたずらだよ。
そんなら、それでいいじゃないか。つまらない、ふざけた、子供じみたいたずらをして見せたものだ。ばかばかしい。お角が再び呆れ返って、せせら笑いました。
胡麻の蠅というのは、つまり百の野郎だ。百の野郎が、熱海あたりから、くっついて来ているのだ。がんりきの百蔵ならば、何だって、こんな、しみったれたいたずらをするのだ。