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Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠10

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠10 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 285.635 Zeichen · 558 Bildschirme

Aozora Bunko

凧だな――と思って主膳が、なお窓の上から軒先高くながめると、その外に、空中には紅紫絢爛、いくつもの、いかのぼりが飛揚していることを知りました。

字凧、絵凧、扇凧、奴凧、トンビ凧の数を尽し、或るものは唸りを立てて勇躍飛動する、或るものはクルクル水を汲んでたて直す体を見て、神尾主膳がカラカラと笑いました。

多分、この無邪気にして、爽快な、空中の彩色を見て、自分というものの少年時代を想い浮べたのでしょう。

凧の糸目をつけるはなかなかコツのあるもので、子供でも、器用な奴と、無器用な奴のすることには、天と地ほどの相違がある。つまり、器用の奴のやるのは、天上に舞いのぼるが、無器用の糸目をつけた凧は、逆立ちをして地上をかける。そうして自分はというと、憚りながら、子供の時分から凧の糸目をつけるのは上手だった。自然、凧揚げも下手ではなかった。凧の喧嘩には、いつも勝って、相手のやつを吹っ飛ばしてやったものだ。

そうだなあ、もう、こんなに凧が流行ってもいい時分だ――と主膳が、そんな空想に駆られている間、不幸なのは木蓮の枝にひっかかった巴御前で、外では相変らずグイグイと力を極めたり、ゆるめたり、百方苦心して、引き取ろうとするが、いよいよ取れないで、木の枝にいよいよからみつく。