Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠10
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠10 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 285.635 Zeichen · 558 Bildschirme
、こう思いました」
「うむ、お前ならどこまでもついて行けらあ、薩摩だって、琉球だって」
「ところが……」
と七兵衛は、刻煙草の国分をつめ換えて、
「ところが、あなた、向うの足が早ければかえって、こちらも楽なんでございますが、向うの方が人並外れてのろくさい旅なんですから、あとをつけるのに、ずいぶん弱らされちまいました」
「そんないいずうたいをしていながら、意気地のねえ奴だ」
と神尾が、あざ笑うように言いました。
「何しろ、西郷どんはそのずうたいでございましょう、駕籠に乗ってはたまりません、駕籠もたまりませんし、第一雲助がたまりませんね――それじゃ馬がよかろうとおっしゃるかも知れませんが、馬が駄目なんです」
「なんだ、意気地が無え、馬にも乗れねえ薩摩っぽう」
と神尾が、またあざ笑いました。神尾のはわざとあざ笑うわけではなく、本来、薩摩の陪臣としての西郷などを、眼中に置いていないのですから、先天的に、鼻の先であしらい得るように生れついているのです。
「そういうわけじゃございません、侍が馬に乗れないとあっては恥でございますが、西郷どんのは、馬術不鍛錬で馬に乗れないのではなく……つまり、あの人のキンタマが大き過ぎて、それで馬には乗れないんだそうでございます」