Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠10
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠10 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 285.635 Zeichen · 558 Bildschirme
二十
しかし、一方お絹の方では、主膳が身にこたえるほどに感じてはいず、これが年中行事じゃない、日課のおきまりとして、恭しく鏡台に向ってお化粧をはじめました。
主膳が入木道を試みるのを、朝のおつとめの快事とするように、お絹がお化粧にかかる時が、この女の三昧境かも知れません。
このごろは始終丸髷です。丸髷を粋向きにこしらえてみたり、奥様風に結わせてみたり、それがまた見られる時は見られるように撫でつけてみたり、乱れた時は乱れたようにさわってみたりして、自然の容色のまだ衰えないことを、ひとり悦に入っているようです。
容色の衰えないことは、全くその己惚の通りといっていいでしょう。時によっては、以前よりはいっそう水々しく、つやっぽく、仇っぽく見えることさえあるのですが、どうかすると、年は争えないものだという引け目を、自分ながら強く感じ出して、化粧刷毛を投げ出して、といきをつくこともないではありません。
切髪は、とうの昔に廃業して、ちかごろでは丸髷専門と言いつべく、丸髷が至極お気に入りの様子で、その結いぶりがヒドク気に入った時は、その場で声を立てて主膳を呼ぶことがあります。