Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠10

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠10 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 285.635 Zeichen · 558 Bildschirme

Aozora Bunko

「西東へ?」

「まあ、この赤い櫛を一つお買いなさんし、これがのし、負けて六十四文にしてあげませず」

「おいらは、櫛は買いてえと思わねえんだ、おいらが櫛を買ったって、始末に困らあな」

「まあ、そうおっしゃらず。こちらにも三ツ櫛のいいのがござんさあ」

「人柄を見て物を言いな、櫛を買うような人間には出来ていねえんだぜ」

「それでは、おかみさんへのおみやげに」

「ばかにしてやがら、おかみさん面があるか」

かくて米友は、また一散に走りました。

なんとしても、水が上へ流れないように、上方へ上る約束で来た道庵先生が、東へ向くはずがないから米友は、その点は安心して、木曾街道の要所を、わき目もふらずに走りました。

走りながら様子を聞いてみると、それは往々、程遠からぬ時間の間に、尋ねるとおりの人が、この街道を通った形跡は確かにある。

やや、安心した米友は、ついに二里半を飛んで、上松の駅まで来てしまいました。

そうして、碓氷峠の上の駅でしたように、その駅のほとんど一軒一軒について、たずねてみると、あるところでは相手にされないが、あるところではかなり要領を得ることになる。

結局、とある酒店で、持参の瓢箪の中へいっぱい清酒を詰めさせた客人があるという手がかりがあって、それから問いただしてみると、それは多分件の一瓢を携えて寝覚の床へおいでになっ