Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
だいぼさつとうげ
大菩薩峠10
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠10 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 285.635 Zeichen · 558 Bildschirme
臨川寺方丈の庭より見下ろす寝覚の床。そこへ来て見ると案の如く幾多の旅人が指をさし、眼をすまして、その好風景を観賞しているにはいるが、道庵の姿らしいのは一つも見えない。
弁天の祠の下、芭蕉、也有の碑のうしろ、そこを探しても先生らしいのはいない。
もしや、例の癖で、酔うて沙上に臥す、なんぞと洒落てはいないかと、方丈の松の根方や、裏庭に廻ってみたけれども見えない。茶を配る小坊主に、その人品骨柄を説いて聞かせたけれど、さっぱり合点がゆかない。もう一旦、ここへ来てながめた上に立去ったのか、まだここへは来ていないで、途中へひっかかっているのか、その辺の見当もつかない。後者であるならば、ここに相当の時間を待っていさえすれば、必ず一度は訪れるものに相違ないが、前者であった日には当てが外れる。
見ていると、遊覧の人のうち、気の利いたのが寺の前庭から、岩を伝うて下へ降る様子である。
ははあ、あそこから下りられるんだな……と合点して、たずねてみると、ここで見るのは寝覚の床の全景――ここを下ると横幅十間、長さ四十間の寝覚の床の一枚岩の上に出られるのだという。
そういうことなら、この下が本場なんだ。