Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠10
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠10 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 285.635 Zeichen · 558 Bildschirme
あなたの恵まれたる生活がかえって、あなたの不幸でございました。それゆえに、何か不平不満の起りました時には、あなたは自分の仇敵のために、自分の持場を荒されたように、身も、世も、あられず、憤怒の火で心の徳を焼いておしまいになります、不平、不満の起りました時、ついぞあなたは、今まで自分の受けておいでになった有り余る満足と、我儘とに、思いおよぼしたことはございませんようです。天性、花のように生み成された御容貌が、無残にそこなわれてしまった怨みを、骨髄に徹するほど無念にくり返し、くり返し、私はあなたのお口から聞かされました。しかし、私に言わせますと、あなたの御容貌を微塵に打砕いたそのものは、あなたの継のお母さんではありません、また、そのお母さんに味方をするという一類の人たちではありません、あなたの心の増長が、その面を焼きました」
おしゃべり坊主は土に坐って、一気にこれだけをしゃべりました。
三十二
「何とでもおっしゃい」
お銀様も、土の上に腰をおろして、相変らず冷然として、おしゃべり坊主のいうことを取合いませんでした。
火は盛んに燃えて、集まるほどの者が、それを消すべく懸命の努力を試みているのをよそに、弁信法師も、お銀様も、小高いところに坐り込んだまま動こうとはしません。