Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
だいぼさつとうげ
大菩薩峠11
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠11 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 368.567 Zeichen · 720 Bildschirme
「そうかも知れない」
「ただ、眺めておいでになっただけでは、さだめて物足りないことと存じます、御案内を致して上げましょうか」
お雪はその銀の柄杓を取り直して、竜之助の当面、南の方にそそり立つ山の一つをさして、
「あれが槍でございます」
「ははあ」
「その次が穂高!」
「ははあ」
「穂高の向うの大きなのが乗鞍ヶ岳でございます、わたしたちのおりまする白骨温泉の真上に、あの山がかぶさっておりまする。それから、あの槍と、穂高との間に、煙の上っているのがお見えになりますかしら」
「見える、見える」
「あれが焼ヶ岳の煙でございます、ほかほかの山々は、みんな眠っておりますけれど、あの焼ヶ岳一つが煙を吐いておりまする」
「なるほど」
「駒ヶ岳が、お見えになりましょう」
「どれ?」
「富士山と、赤石と、八ヶ岳とが、遠くかすんでおりまするそのこちらに」
「うむ、なるほど」
「あのお山に昔、天津速駒という勇敢なる白馬が棲んでおりました、それは武甕槌という神様の魂から生れた馬だそうでございます、双の肩に銀の翼が生えていて空中をかけめぐり、夜になると、あの駒ヶ岳の頂上で寝むのだそうでございます」
「なるほど」