Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠11
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠11 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 368.567 Zeichen · 720 Bildschirme
濠端に進み過ぎた背の高い浪士が、
「おい、がんりき、尾張名古屋の金の鯱を今日は思い入れ眺めて行けよ」
後ろを顧みて、道中師風の若いのにこう言いました。
その面を見ると、これはこの土地では初めて見る南条力の面であります。南条があれば、その傍にあるのは、当然五十嵐甲子男でなければならぬ。そうして従者ともつかず、道づれともつかぬ、いやにやにさがった道中師風の若いのは、いま南条の口から呼ばれた通りがんりきといって、名代のやくざ者。
ここで、南条、五十嵐と、がんりきというやくざ者を見ることは、小田原城下以来であります。
濠端に進み過ぎている傍まで、五十嵐が進み寄って、二人は金の鯱を横目に睨んで立っている。
わっしゃあ、お前さん方の従者じゃあありませんよ、といったような面をして、こちらに控えてやにさがっているがんりきのやくざ野郎は論外として、南条、五十嵐の二人を、こうして城濠のほとりに立たせて見ると、どうしても尋常一様の旅人ではなく、一種不穏の空気が、二人の身辺から浮き上るのを如何ともすることができません。
曾て、甲府の城をうかがって、囚われの身となったのもこの二人でした。